1回のセッションで驚くほど仲良く

大人が子どもと仲良くなるのはそれほど簡単ではない。自然に上手な人もいるが、ある程度のスキルが必要だ。

小学生くらいの子どもと2人きりになって、1時間飽きずに遊べる人はそうそういないのではないだろうか。まず、共通の話題を見つけるだけでも大変だし「学校楽しい?」など漠然と聴かれても、子どもはどう答えていいかわからないし、おもしろくない。

ところが、もともと子どもが好きなゲームを一緒にやるのであれば、さまざまなハードルが取り除かれる。

共通の話題がある
そもそも、子どもが好きでやりこんでいるゲームを一緒にやるのだから、子どもが興味を持たないわけがない。そのゲームを大人がある程度知っている前提だから、共通の話題になる。

ホーム感がある
子どもが普段から遊んでいる世界に入っていくので、ホーム感がある。新しい場所、慣れない場所が苦手な子どもでも、無理なく楽しむことができる。

ゲームが始まるとすぐに打ち解ける

メンターさんと初めてのセッションとなった小学3年生の智也くん(仮名)。設定に時間がかかってしまったのもあり、最初は退屈そうで、メンターさんともそれほど話そうとしない。

ところが、設定が終わりゲームが始まると、とたんに活発になり、饒舌に。好きなところにどんどん進んでいき、メンターさんをリードしていく。

あっという間に時間が過ぎ終了の時間に。「やめたくない」と言っていたが、最後には画面をに目を向けて納得してくれた。

2回目にメンターさんの装備を作ってあげる

2回目のセッションでは、最初から打ち解けている雰囲気。なんと智也くんはメンターさんのためにあらかじめ装備を作ってくれていた。しかも、とても強い装備。2人分作って、2人で装備して冒険に向かう。

2人はとても仲良くなり、大好きなアニメの話で盛り上がったり、一緒にアニメの歌を歌ったりしながらゲームを進めていった。

ゲームが終わっても、大好きなアニメキャラのカードを見せて「キャラあてゲーム」をするなど、ゲームなしでも楽しめる関係性になっていた。

その後、智也くんは普段の時にもメンターさんの話題を出し、「仲のいい友だち」としてとらえてくれているようす。

すぐに仲良くなれることに驚き

2人の様子を外から見ているだけだと「仲が良さそう」ということはわかるが、ゲームの仲で何が繰り広げられているかはわからない。

メンターさんからのレポートで、2人がたどった冒険や探検、戦いの様子がわかる。2人で楽しんだ濃密な時間。それは、レポートを読んでいるだけでも楽しい。親だったら、すごくうれしいのではないだろうか(私は嬉しい)。

大人と心を通わせて楽しい時間を過ごすことにより、日常生活でもいろいろなよいことがあると信じている。ただ、それがなかったとしても、こんなに子どもが生き生きと笑顔で活力を見いだしている活動に、喜びを感じずにいられない。

この記事をシェア
ゲームdeコーチング・代表